第4回 in 神戸女学院大学のレポート

「人生に、文学を。」オープン講座

【in 神戸女学院大学 2017年6月10日(土)】

第4回目は、高橋源一郎さんと内田樹さんを講師に迎え、ヴォリーズ設計の校舎が国の重要文化財に指定されている神戸女学院大学で開催されました。
対談や共著の機会が多い高橋さんと内田さん。高橋さんの講義の締めくくりには内田さんが登壇し、お二人で文学について語り合う場面もあり、興味深い話が繰りひろげられました。

第7講  講師 高橋 源一郎さん「名作の読み方」

高橋源一郎さん講義より抜粋

『中学生の頃、読書感想文を書くために「こころ」を読んだら、つまらなくてね。ところがすぐれた作品というのは、こちらが成長するに従って、趣きを変えていくものなんです。僕は1990年代に「日本文学盛衰史」という文豪をテーマにした小説を書いたのを含めて、作品の中に漱石を4回登場させているんですね。その度に、「こころ」も「坊ちゃん」も何回も読み返しました。同じ本でも読み返す度に、違ったものが見えてくるんです。今回は、こういう読み方もできるよ、僕はこういう風に読みましたよ、というお話です。ああ、こういう風な読み方もあるんだな、と思っていただければ、ありがたいです』

第7講 高橋源一郎さん

イントロダクション

「どんな作品も時代的な影響を受けて存在している」と語る高橋さん。時代背景を知って読むと、小説に書かれている強烈なメッセージが浮かび上がってくる。作家ならではの視点で読み解いた、「坊ちゃん」「こころ」に秘められたメッセージとは…。

イントロダクション

高橋 源一郎さんの講義はコチラ

第7講 「名作の読み方」

高橋源一郎さん メッセージ 世の中には、「名作」と呼ばれる作品がたくさんあります。美術だったらダヴィンチにセザンヌにピカソ、音楽だったらバッハにモーツァルト、そういった「偉大な」人たちが創ったものですね。そういう「名作」を、無心で鑑賞するのは難しい。どうしても「これは名作なんだ」という思いが邪魔をするからです。でも、一度、「名作」だということを忘れて、ぶつかってみてはどうでしょう。今回、そのターゲットになるのは、日本文学の「名作」、夏目漱石の『こころ』と『坊っちゃん』です。ドシンとぶつかってみましょう。実は意外なことを感じる作品なのかもしれませんよ。
課題図書 こちらの「課題図書」2冊を必ずお読みの上、ご参加ください。
『坊っちゃん』
夏目漱石著
文春文庫
『壬生義士伝』浅田次郎著 文春文庫 『こころ』
夏目漱石著
文春文庫
講座日時 2017年 6月10日 13:00~14:30
募集人数 50名様

高橋源一郎プロフィール

1951年、広島県尾道市生まれ。

著書に「すばらしい日本の戦争」(第24回群像新人文学賞最終候補)、「さようなら、ギャングたち」(第4回群像新人長編小説賞優秀作)、「優雅で感傷的な日本野球」(第1回三島由紀夫賞)、「日本文学盛衰史」(伊藤整文学賞)、「さよならクリストファー・ロビン」(第48回谷崎潤一郎賞)など。2005年より明治学院大学国際学部教授。

第8講  講師 内田 樹さん「身体と知性」

内田樹さん講義より抜粋

『普通に暮らしている中で、脳で行われている活動以外の自律的にやっている活動、例えば皮膚感覚であったり、匂いや味を感じる、あるいは筋肉の運動とか、そういったものが人間の知性の叡智的な部分と、どう関係があるかということについては研究が少ないんですね。ですが、身体というのが非常に深く知性の行使に関わっているということは、実体験としては熟知されている方が多いと思います。身体を操作することで、知性をどうコントロールできるのか。逆に知性をどうコントロールすると、身体がどう変わるのか。それについて思うところをお話したいと思います』

第8講 内田 樹さん

イントロダクション

最近、「AIが登場すると人間がやっている仕事はどれくらい減殺されてしまうのか」という質問をよく受けるという内田さん。武道や哲学、文学など、さまざまな視点から考察する、機械的に設計することが不可能な人間の知性の働きとは…。そして身体と知性の関係とは…。

イントロダクション

内田 樹さんの講義はコチラ

第8講「身体と知性」

内田樹さん メッセージ 「僕は長く合気道という武道を稽古しており、それと並行してエマニュエル・レヴィナスという哲学者の本を読んできました。40年ほど続けていたら、武道と哲学が要請するものがほとんど同じだと思うようになりました。知性を身体的に用いるということと、身体を知性的に用いるということについてお話します。」
課題図書 こちらの「課題図書」2冊を必ずお読みの上、ご参加ください。
『孔子伝』
白川静著
中公文庫BIBLIO
『街場の文体論』
内田樹著
文春文庫
『孔子伝』白川静著 中公文庫BIBLIO 『街場の文体論』内田樹著 文春文庫
講座日時 2017年6月10日 15:30~17:00
募集人数 50名様

内田樹プロフィール

1950年、東京生まれ。

神戸女学院大学名誉教授。

専門はフランス現代思想、映画論、武道論。「私家版・ユダヤ文化論」(第6回小林秀雄賞)、「日本辺境論」(新書大賞2010)。2011年には第3回伊丹十三賞受賞。「寝ながら学べる構造主義」「レヴィナスと愛の現象学」「街場の戦争論」など著書多数。