第3回 in 上智大学のレポート

「人生に、文学を。」オープン講座

【in 上智大学 四谷キャンパス ソフィアタワー 2017年5月20日(土)】

第3回目の講師は、浅田次郎さんと中村文則さん。今年1月に竣工した、まだ新しい上智大学6号館、通称ソフィアタワーで開催されました。
17歳の時に出会った三島由紀夫の美しい文章に衝撃を受けたという浅田さん。太宰治の「人間失格」に救われたという中村さん。
小説家の視点から見る文学とは何か、その面白さとは…。興味深いお話を伺うことができました。

第5講  講師 浅田 次郎さん「文学とは何か。小説とは何か。」
司会進行 羽鳥 好之(文藝春秋)

浅田次郎さん講義より抜粋

『小説とは何か。物語であり、文章芸術であります。それに尽きるでしょうね。じゃあ、文章芸術とは何か、これは大変難しい。天然の自然の風景などを、人間の力でもう一度再生産する行為というのが芸術ではないかというのが、私なりの定義であります。たとえば、桜の花を見た時に、ものすごく綺麗だなと思いますよね。それを人間の心を通し、文学表現を通してみた時に、天然の桜を超える可能性があるんじゃないかと。この一瞬を捕まえるために、文学をやり続けている。これが私の小説家としての考え方です』

講義5 浅田 次郎さん

イントロダクション

小説家になりたいと思ったときから、日本の芸術とは何かということを、自分なりに考えたという浅田さん。たどり着いた答えは、「シンプルであること、ナチュラルであること、オリジナルであること」。日本人として、この3つを念頭に小説を書いているとおっしゃいます。果たしてその真意は…。

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浅田 次郎さんの講義はコチラ

第5講 「文学とは何か。小説とは何か。」

浅田次郎さん メッセージ 文学が社会生活に無効なものとして遠ざけられつつある昨今、小説家としてその重要性をお話ししたいと思います。なぜ文学を志したのか、どのような経緯で作家となり今日に至ったのか、私自身の人生に沿ってわかりやすく語ります。
課題図書 こちらの「課題図書」2冊を必ずお読みの上、ご参加ください。
『壬生義士伝』
浅田次郎著
文春文庫
『壬生義士伝』浅田次郎著 文春文庫
『陶淵明伝』
吉川幸次郎著
新潮文庫
『陶淵明伝』吉川幸次郎著 新潮文庫
講座日時 2017年 5月20日 13:00~14:30
募集人数 50名様

浅田次郎プロフィール

1951年、東京生まれ。作家。

著書に「地下鉄(メトロ)に乗って」(第16回吉川英治文学新人賞)、「鉄道員(ぽっぽや)」(第117回直木賞)、「壬生義士伝」(第13回柴田錬三郎賞)、「お腹召しませ」(第1回中央公論文芸賞、第10回司馬遼太郎賞)、「中原の虹」(第42回吉川英治文学賞)、「帰郷」(第43回大佛次郎賞)などがある。2015年、紫綬褒章受章。

第6講  講師 中村 文則さん「文学との可能性と面白さ」
司会進行 浅井 愛(文藝春秋)

中村文則さん講義より抜粋

『僕はフリーターをやりながら作家を目指していたんですけれども、群像新人賞2回と文芸賞2回落ちたあとで決めたことが3つありました。
小説家になるために、(1)人より多く努力する (2)自分の小説を客観的に見る (3)自分の個性を出す。
小説家になるには書く能力が必要ですけれど、読む能力も必要で、なかでも3は、これまでに何を読んできたか、どう考えたかが個性になると思います。だから、僕は自分が読んできた文学を前面に押し出そうと思いました』

講義6 中村 文則さん

イントロダクション

「今回課題図書にした『私の消滅』はものすごく複雑で、あのプロットを一から意識的に作るというのは不可能でして…。どうやって書いたかというと、変な言い方ですが、“小説脳”を使ったんです」と中村さん。『私の消滅』ができるまで、作家志望の方へのメッセージなど、興味深いお話がスタート。

イントロダクション

中村 文則さんの講義はコチラ

第6講「文学の可能性と面白さ」

中村文則さん メッセージ 「私の消滅」という小説は、純文学に、ノンフィクションの要素と、ミステリーの要素を取り入れたものです。文学の可能性、面白さなどについて、皆さんと自由にお話しできればと思います。
課題図書 こちらの「課題図書」2冊を必ずお読みの上、ご参加ください。
『私の消滅』
中村文則著
文藝春秋
『転落』
アルベール・カミュ著
(「転落・追放と王国」に所収)
新潮文庫
『私の消滅』中村文則著 文藝春秋 『転落』アルベール・カミュ著(「転落・追放と王国」に所収)新潮文庫
講座日時 2017年5月20日 15:30~17:00
募集人数 50名様

中村文則プロフィール

1977年、愛知県東海市生まれ。

著書に「銃」(第34回新潮新人賞)、「遮光」(第26回野間文芸新人賞)、「土の中の子供」(第133回芥川賞)、「掏摸(スリ)」(第4回大江健三郎賞)、「私の消滅」(第26回ドゥマゴ文学賞)。2014年にはノワール小説への貢献に対してアメリカで、David L. Goodis賞を受賞。